文鳥は、見た目の地味さと、鳴き声の大人しさにインコより見劣りするかも知れません。
ですが、そのしぐさは飽きることなく、文鳥ファンなら、全ての人の癒しになっていることと思います。
その文鳥のしぐさの中でも、首をかしげて飼い主を見つめるしぐさには、何かを訴えている様にも思えて、話のできないもどかしさを感じることもあるでしょう。
あの文鳥の首をかしげるしぐさには、どんな意味があるのでしょう。
「首をかしげる」の辞書的な意味
「首をかしげる」は、「小首をかしげる」意味と同じに扱われる様です。
首を少し左右どちらかに傾けること
傾けるしぐさで周りに「考え事をしている」や「不思議に思っている」ことを知らせるポーズ
これは、人間が一般的に行なうことの意味で、文鳥のは、見た目「小首」ではなく、首の根元から傾けている様に見えますね。
文鳥の視野
文鳥の目は、目と目の間隔が広く、そのために人間よりもずっと視野が広い様です。
人間は、正面に目があるために、視野はほぼ180度ですが、左右に目がある(目と目の間隔が広い)文鳥は、真後ろを除いて周囲がほぼ見えているとのことです。
調べによると、自然界では文鳥の様な小鳥は、「餌」であり、命の危険が常に付きまとうものだそうです。
だから、視野は広い方が良いに決まっています。
文鳥の視野がこれほどまでに、広いのは命を守る最良の方法の様です。
文鳥の物の見え方
人間は、視野に入る物全てが立体的に見えています。
それは、目の位置が正面にあるので、右目の情報が左脳に、左目の情報が右脳に入り、脳で立体処理をされているためですが、文鳥の場合は、目が左右に離れてあるために、右目と左目で見える物が別々であるといえそうです。
よって文鳥は、左右の目の焦点が合う位置でないと、立体的には見えないというのです。
文鳥が立体的に物を見ることができるのは、足下と餌を食べる時ぐらいと限られるそうです。
逆にいえば、目先の物ほど立体的に見えているということになりそうで、この範囲においては、人間よりも遙かに、鮮明に、細部まで見えているといえそうです。
文鳥の場合は、カメレオンの目の様に、左右の目が独立して機能する構造ではないので、見たいと思うどちらか一方でしか見ることはできない(見えていない)ということですから、右目に意識を集中させて物を見ている時は、左目はぼやけている、または、ほとんど見えていない様です。
文鳥が首をかしげる意味
さて、自然界で生きているはずの文鳥が、愛玩動物となって、家庭で飼われる様になったのですが、やはり両目同時に物を立体的に見るには、周囲の様々な物が遠すぎます。
また、恐らくですが、自然界と比べては、中途半端に全てが近く、大きく、狭い世界でしょう。
結局のところ、左右の目の使い分けが重要になります。
首をかしげるのは、見たいものに集中して見ている証拠というわけです。
文鳥の目の構造を調べてみると、飼い主を見る文鳥の瞳は、特に何かを訴えるわけではなく、片方の目で、集中して見ようとする文鳥の目の構造上、ごく当たり前のことだったという結論でした。
文鳥は、左右の目が離れているために、人間とは違い、右目で見たものは右の脳に、左目で見たものは左の脳に記憶される様で、左右の脳での情報交換ができないそうです。
そのために、右目で見たものを左目で見ても、ピンとこず、例えそれが飼い主であっても、見慣れない目では、ぼやけているということでした。
飼い主と文鳥は、信頼関係が充分に築けているからこそ、文鳥が首をかしげるのは、大好きな飼い主をしっかりと集中して見つめたいと思っているしぐさだと考えられるでしょう。
首をかしげる文鳥 #buncho #文鳥の日2016 pic.twitter.com/lPY0ePQU9r
— emi (@_shiemi) 2016年10月24日
まとめ
文鳥が首をかしげることについて掘り下げていくと、知らない方が良かったと思う飼い主もいるかも知れません。
ですが、文鳥にとって見たいものを見るためには、構造上仕方なく片方の目で見ているというわけで、その対象が飼い主であるということは、「片方の目しか働かない=外敵に襲われるかも知れない」状況でも、飼い主をはっきり認識したいと思う気持ちの表れだと思います。
そう考えることができれば、ますます愛おしい存在ではありませんか。