今まで何でもなかった文鳥が、ある日突然、夜にカゴの中でパニックを起こすこと、そんなことが実際にはある様です。
飼い主は、何が起こったのか訳も分からず慌てることでしょう。
文鳥は、「気が強い割には、気が小さい」といわれ、一見矛盾していそうですが、「突然の出来事には、派手に驚く」という意味です。
ですが、この突然のパニックには、数々の理由があり、どんな理由であっても何の前触れもありません。
どうして、突然パニックを起こすのでしょう。
目次
文鳥が暴れて騒ぐ
1番多くいわれている被害報告は、寄生虫で「ダニ」の一種「ワクモ」によるパニック症状です。
時期
梅雨をはさんで、初夏から夏の間は、ワクモの繁殖時期と重なって発症することが多いといわれています。
潜伏と出現
明るい間(日中)は、カゴの隅や止まり木とカゴの境目など、陽の当たらない、照明の当たらない場所に隠れて、暗くなるのをひたすら待ちます。
そして、夜になり、暗くなると止まり木の鳥を襲いに静かに近付いてきて、血を吸うということです。
鳥の様子
サインは、「鳥が暴れて騒ぐ」です。
血を吸われた部分の羽が抜けていたり、鳥が懸命に掻く場所に皮膚炎が見つかったり、寝不足やストレスで元気がないなどの様子で気が付くことが多いそうです。
そのまま寝不足が続くと、個体にとっては命の危険にさらされます。
文鳥のワクモ被害
ダニの仲間です。
卵の時期と幼ダニ期以外で吸血します。
- 吸血前:灰白色〜褐色・体長0.7mmほど
- 吸血後:赤褐色〜黒色・体長1mm以上
- 吸血対象:鳥・人間など
症状
- 血を吸われた影響により痒みが出る
- 皮膚炎
- 他の病気への媒体となり得る
- まれに、貧血・衰弱・失血により命を落とすなどの場合がある
「ワクモによる被害」と断定するには、夜しかない
- その個体自体への寄生を発見する
- 個体の生活環境でワクモを発見する
・・・など
治療(駆除)方法
個体の生活環境を消毒することです。
有効な薬剤
有機リン剤、カーバーメート剤、ピレスロイド剤などです。
人や鳥に対しての健康上被害が最小限のものにしましょう。
魚への影響は大きいため、厳重使用です。
被害を受けた個体は、動物病院で受診することをおすすめします。
予防方法
- 使用中のツボ巣や止まり木を熱湯消毒する
- 古いツボ巣や止まり木を新しいものに取り換える
- 鳥かご自体の洗浄と熱湯消毒をする
・・・など
よく似た寄生虫:トリサシダニ
- 鳥の体の表面で一生を過ごす寄生虫
- 駆除には、吸血時にマクロライド系が有効とされる
鳥が夜中に騒ぐその他の原因
何に驚き、暴れるかは感じ方ですから個体差がありますが、「外が見えない」ことが個体にとって恐怖になることや、病気の発症が原因の場合もある様です。
- 大きな音や破裂音
- 人が感じる地震
- カゴ近くでの物の移動
- てんかんなどの病気
・・・など
まとめ
調べた結果、文鳥が夜、パニックになる大きな原因は、どうやら「ワクモ」というダニの仕業の様でした。
ワクモは、飼い主の日頃のお世話の仕方で防ぐことが出来るとの意見が多く、実際にそれは、難しくないことが分かりました。
「個体の生活環境を清潔に保つこと」、これだけで健康的な環境になるそうなので、特に梅雨時を挟む夏の時期には、実践して欲しいと思いました。
また、個体により、ワクモが原因ではなくても、「こんな事で?」と思うことで騒ぐ場合があるそうです。
そんな時は、カゴをのぞいて飼い主の声を聞かせ、姿を見せ、安心させてから、どんなことが起こっているのかを観察しましょう。