文鳥を育てて「手乗り」にしたいと思うと、まだ自分では餌を食べられない雛がやってきてしまいます。
連れて帰ってきたは良いけれど、あまりの小ささ(か弱さ)にどうしたら良いかオロオロしそうです。
そこで、文鳥が独り立ちまでにはどうしても避けられない「挿し餌(飼い主=人間が、自分ではまだ、餌を食べられない雛などに餌を与えること)」、一生続く「水浴び」と「爪切り」について、調べます。
雛の挿し餌の方法
雛の挿し餌は、個体の命に関わる重大な作業です。
なぜ「重大な作業」かというと、ペットショップでは、元気良く口を開けて餌を強請っていた個体が、連れて帰ってきた途端に逃げ腰で、一切声を立てず、口を開かないということが、かなりあるからだそうです。
そのまま放置していたら、その個体は必ず命を落とします。
そうならないためには、飼い主にも、ある程度の知識が必要です。
環境にも飼い主にも少し馴れたら、挿し餌をします。
餌は、雛用のを用意しましょう。
餌
- 孵化後約10日
挿し餌は1日8回目安です。
パウダーフードを湯で溶いて、専用の給餌器やスポイトを使って1滴1滴、ゆっくり与えましょう。
- 孵化後約15日
挿し餌は1日6回目安です。
あわ玉を湯に浸して軟らかくし、温度は飼い主が暖かいと感じるぐらいを「育ての親(給餌スポイト)」を使って与えましょう。
- 孵化後約15日以降:ペットショップで見かける雛の大半はこの時期
挿し餌は1日5~6回目安です。
あわ玉を湯に浸して軟らかくし、温度は飼い主が暖かいと感じるぐらいを「育ての親(給餌スポイト)」を使って与えましょう。
- 孵化後約20日頃から
そろそろあわ玉に青菜(小松菜など)のみじん切りなどを混ぜて、「育ての親(給餌スポイト)」を使って与えましょう。
フンが緩い、または、あわ玉がそのままフンとして出るなどの時は、水分が多いか、消化不良の可能性がありそうです。
青菜を減らすか、または、控えて、様子を見ましょう。
雛が口を開く間は、餌を与え続けても良いですが、餌の時間になってもソノウ(飼い主からもらった餌が始めに溜まる袋)に餌が残っている様なら、少し消化するまで待ちましょう。
古い餌が、病気の原因になる場合があります。
作った餌は、作り置きはできません。
勿体ないと思っても、1回1回作り直しましょう。
器具は、清潔に保ちましょう。
与え方
- 餌は、「育ての親」などを使って雛の喉の奥まで入れる
雛は、喉が真っ直ぐになる様に、上を向いてくれます。
そのタイミングを見て、挿し餌をすると良いでしょう。
この行為の繰り返しですが、時々、奥まで入れすぎて雛に怪我を負わせる話を聞きます。
始めは浅めに入れて、様子を見ながら少しずつ「挿し餌」に慣れていきましょう。
- 幼鳥(羽が生え揃った状態)の頃:孵化後約1か月
そろそろ「挿し餌」を卒業し、「1人餌」に移っていく個体も現われる様です。
この頃になると、盛んに飛ぶしぐさを見せる様になります。
そうなると、挿し餌に頼らず、自分で餌を拾う様になるそうですから、挿し餌をするつもりで用意した餌を、少しつまんで目の前に置いてみましょう。
水浴びについて
水浴びの効果
文鳥の水浴びは、「ストレスの解消」と「健康維持」、「身体を清潔にする」など、個体にとって大きな役割の1つといえそうです。
- 羽の潤いとツヤを維持する効果がある
- 身体に付いた汚れを落とす効果がある
- 身体に付いた虫などを落とす効果がある
- 筆毛をふやかし、取り除きやすくする効果がある
・・・など
水浴びの回数
文鳥は、元々水浴びが大好きな鳥ということです。
個体差はありますが、1日1回以上の水浴びをすると思っていた方が良さそうです。
中には、1日に数回の水浴びをする個体もいるそうですが、好きなだけさせてあげるのが良い様です。
水浴びの注意点
文鳥の水浴びで注意しなければならないことは、「水温」と「室温」ということです。
- 水温
文鳥は、先ほども書いた通り、水浴びは大好きですから1年を通して何度でもします。
飼い主は、冬の水浴びは冷たいだろうなどと思いやったつもりで、お湯で水浴びをさせてしまうと、風邪を引いてしまう話はよく聞く話です。
文鳥の水浴びは、水温が20度以下、真冬でも真水にしましょう。
文鳥の羽には、水鳥ほどではありませんが、油分が含まれています。
お湯を使うことによって、その油分が流れ、羽の奥(皮膚)までお湯が入ってしまいます。
皮膚が濡れてしまうと、なかなか乾かすことが困難になり、乾かし切る前に風邪を引いてしまうというのです。
文鳥は、たいていどんな入れ物ででも水浴びをするそうですが、個体によっては飼い主の手ですくった水の中でしたがります。
その場合は、キッチンで行なうことになるでしょう。
冬の水浴びは、文鳥にとって健康的でも、飼い主にとっては、冷たくて辛いかも知れません。
- 室温
室温が10度以上であれば、文鳥自ら水浴びをする様です。
水浴びが済むと、文鳥は羽を乾かすのに都合が良く、落ち着ける場所へと移動します。
いくら、真水で水浴びをし、羽の奥まで水が入らなかったとはいえ、やはり、羽が乾くまで時間がかかれば風邪の原因になります。
加えて、室温が低いとさらに危険です。
飼い主が自分の腕を濡らしてみて、体感でチェックし、寒いと感じた時は、個体にとっては、それ以上に寒いはずです。
室温調節に気を配るのが良いでしょう。
爪切りの方法
文鳥の指は細く、その先に付いている爪は良く動き、飼い主が爪だけを押さえるのは、とても難しい作業です。
ですが、文鳥の爪切りは、その個体の命が続く限り終わることはありません。
ポイントは、飼い主の「恐怖や不安は、文鳥に全て伝わってしまう」ということです。
①文鳥を背中の方から優しく包む様に握る
- 爪切りを握る手ではない方の手の人差し指と中指で、個体の首を軟らかく挟み込む
- 残る3本の指で、身体(お腹)を固定する
②身体(お腹)を固定している親指と薬指で個体の爪の付け根を固定する
- 爪の中に通っている血管の位置(爪の先のどのくらいまであるか)を確かめる
③1度で切ろうとせず、少しずつ切っていく
- 文鳥が暴れて指をすり抜けたら、深追いせずに次のチャンスを待つ
文鳥の爪切りは、慣れた飼い主でも怖いと聞きます。
ですから、焦らず、気長に構えて挑戦しましょう。
文鳥にとって、爪切りだけは個体差がなく、全般的に嫌がります。
そして、先週行った病院での爪切り。ここの先生は爪切りはあまりしない方が良いという考えで長めの仕上りでした。
ところで…この画像、頭を押さえられて苦しそう💦に見えますが、コレ、文鳥君必死の抵抗中!自ら頭を突っ込んで指に噛みついているのです😅先生はビクともしてません!#buncho pic.twitter.com/QLIxVQmMW6— きなこ (@kinako08) 2017年7月13日
まとめ
文鳥は、元々熱帯地方で暮らしています。
ですから、気温や室温、水温が高い環境よりも、低い環境の方が苦手です。
文鳥は、丈夫な鳥だという話もよく耳にしますが、ストレスに弱い1面もある様です。
飼い主は、気温や室温、水温が低い環境に注意が、より必要です。
環境が整っていれば、個体の安定に繋がります。
育てやすく、病気にもかかりにくく、体力があれば、接しやすくもなります。
飼い主は、挿し餌も爪切りも始めは怖々かも知れません。
決して1度で成功させようとせず、何度も、繰り返し、慣れるまで行ないましょう。